元大学職員のスピーチ

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大学職員をやめようと思ったこと

大学職員をやめようと思ったことがある。今5年目だけど、5回くらいある。いや、もっとあるかもしれない。

 

Twitterで大学職員志望の方にフォローしていただいたり、この仕事に関してポジティブなこともネガティブなことも、様々な意見や感想を見聞きする。そういえば私はどちらかというとポジティブ寄りなことをブログなどに書いてきた気がするので、ふと思い立って今回は「大学職員をやめようと思ったこと」をテーマに思いつくことをつらつらと書いてみたい。

 

どんな仕事も同じだとは思うけれど、この仕事にももちろん楽しさとかやりがいは沢山ある。学生さんに取材をしたり、関わってきた学生さんが卒業して立派に社会人をやっている姿を見ることができた時。先生の専門の話を伺ったり、一緒に学部や学科の魅力をどう伝えるかを考える時。高校生の受験の悩みを少しでも解決することができたり、受験生を増やすことができた時。私の場合、広報的なやりがいに偏っているけど、この仕事を頑張ってよかったと思える瞬間は確かにある。

 

でも、それと同じくらい、あるいはそれ以上に嫌なこと、苦しいことも沢山ある。(別に大学職員に限った話じゃなく、他の仕事も同じなんだと今は思う。)

 

他部署からの無茶な要求・クレームに板ばさみになったり。ほぼ完成していた仕事が、天の一声で1からやり直しになったり。教員、他部署、上司など複数の関係者の間で、利害調整の板ばさみになったり。同じチームのメンバーが急に敵みたいになってしまったり。

 

営利企業と違ってノルマとか営業目標みたいなものはないので、馬車馬の如く走らなければならないストレスはない。だけど、企業以上に様々な立場の人がいる組織なので、何か1つの企画・仕事をやり遂げようと思った時、利害関係の「調整」やあらゆる立場の人の理解を得るための「調整」にとてもストレスがかかる。自大学の将来のためにこの仕事をやりたいと思っても、スピード感を持ってできなかったり、本来やるべき方向から90度くらいずれてしまったり、1本筋の通った仕事の仕方がしづらい組織だ。

 

職員数も少ないところが多い。誰かに完全に嫌われると仕事がしづらいので、人間関係を「うまくやる」ことにも気を使う。時々そういうことがストレスになることもある。

 

私が「大学職員をやめよう」と度々思ってしまった背景には、この仕事が第一志望の業界ではなかったというのも一因としてあるかもしれない。メンタルが追い込まれた時に、いわゆる「逃げ」を自分の中で作っていたのだ。

 

 

でも、結局大学職員を続けている。

まだ今の仕事で「これをやりきった」と言えるものがほとんど無い。転職市場の中で自分の市場価値はかなり低いと思うし、ライフイベントとのタイミングも重なった。転職をするとして、やめようと思った時、今の仕事以上にやりたいことが思い浮かばなかった。

 

今はまだしばらく、この仕事を続けてみようかなあと思っている。自分のスタンスを変え、こういう環境だからこの仕事ができない、ではなくて、「こういう環境でどうやったらこの仕事ができるようになるか」を考えて行動することを意識している。

 

以前尊敬する上司から言われた例えだけれど、どんなに凄い打者でも、10割(つまり全部の打球を)打てるわけではない。3割の打率があればトップバッターの仲間入り。仕事も似たようなもので、全部が全部うまくいくわけではないのだ。そういう心持ちでいると、ストレスを抱えすぎなくていいなと最近思う。

 

話が散らかってきたのでまとめると、大学職員の仕事はパラダイスではなく、割と「人に関するところ」で負荷がかかるので、そういうことが苦手な人は大学職員を仕事にすることをよく検討した方がいいと思う。

 

以上です。

 

(追記)上記の内容はあくまで個人の意見・感想なので、上記に当てはまらない組織もあると思います。スピード感持って仕事できるところも、1本筋を通した仕事の仕方できるところも、もちろんあると思います。