元大学職員のスピーチ

元大学職員。PR会社に転職しました。//大学職員の仕事、大学職員論、大学教育に関する話題はこちらに書きます。//noteでは、広報PR、働き方などを発信中。https://note.com/mariehoshino

大学職員と女性のキャリア②

昨日のブログの続き。

大学職員という仕事では、仕事か家庭かという二項対立の選択を迫られることが非常に少ないという話。
 
昨日のブログにTwitterでorangeさんからコメントをいただいた。
 
まさに仰る通りで、大学という職場には公的機関のような側面もあるため、産休育休、福利厚生に関する制度が非常にしっかりと整備されている。そして制度が整っているだけではなく、もう20年、30年とその制度を動かしてきているので、名ばかり制度なのではなく、制度を活用している実績もかなり積まれているところが多い。だから、女性は子供ができても追い込まれて辞める選択をしなくていいし(もちろん辞めたければ辞めていい)、キャリアを継続していくことができる。
 
また、周りの先輩、上司を見ていて思うのは、子供がいるからという理由のみで任される仕事・役割を区別されることがないということ。良くも悪くも、だ。
 
子供がいても、本人がやる気があって、やれる環境にあるのであれば、仕事をむやみに減らされたり、軽い仕事に転換されることはない。また、マネジメントをやりたいと思うのなら、同期より少し時期は遅くなってしまうものの、能力があると認められれば課長部長職につくことも可能だ。(子育てを経験した女性課長、部長を自大学・他大学含め何人も見ている。)
 
もしかしたら、大学での仕事の多くが数字として成果がでるものではなく、数字をシビアに評価されてノルマを課すような仕事ではないから、これらの特徴があるのかもしれない。
 
けれど、女性もキャリアを描きやすい職場であるということは、仕事も家庭も同じくらい力を注ぎたい女性にとって、魅力的な仕事なのではないかと思う。教育に関する仕事に意義を感じていて、これからの世代と関わって育てることに楽しさとかやりがいを感じられる人で、仕事も家庭も同じくらい力を注ぎたい人には、オススメの職場なのだと思う。
 
家庭、と書いたけれど、これは別に家庭でなくても良い。プライベートで何か活動をしたい人や趣味・スポーツに力を注ぎたい人も同じく当てはまる話。(大学職員をやりながら、スポーツチームのコーチをしている人も沢山いる。)
 
私の場合、パートナーの転勤というリスクがあるために今の職場で働き続けられるか不明で、まだ今の仕事を今後も続けていくのか迷っている部分もあるけれど、まだ今の職場でやりきれていないことがあるように思うので、しばらくは今の職場にお世話になるつもりだ(こんなことを書いておいて、居心地が良くなって何十年も続けているかもしれない)。
 
ただ、今回は女性のキャリアということで書いたけれど、課題もある。子育てに関する制度や仕事への取り組み方が整っているからといって、男性がそれらを利用できているかというと非常に怪しいのだ。多様性を重視する社会というならば、男性職員も男性教員も、子育てに関する制度や仕事への取り組み方を活用できるようにならなければいけない。
 
大学という職場もまだまだ働き方を見直す必要はあるのかもしれない。