元大学職員のスピーチ

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大学職員は学生を育てられる?

この記事を読まれる方が大学職員を目指している(もしくは目指した)理由は何だろう。

 

学生を育てたい。学生の力を引き出したい。

学生が夢を実現する手助けをしたい。

 

そんな想いから大学職員になりたい(なった)人も一定数いるのではないだろうか。

 

 

 

果たして、大学職員は仕事を通して学生を育てられるのだろうか?

 

 

 

私個人の考えとしては、3割「Yes」、7割「No」である。

なぜなら、大学の仕事は対学生相手のものばかりではないからだ。

 

確かに、教務部や学生部などの学生と関わる部署であれば、学生との関わりを通して学生を育てることができるかもしれない(よく、大学職員は社会人として学生を育てるのだというような議論を聞く)。ただそれは、締切を守るとか、学外の人と接する時の言葉遣いや態度とか、卒業後に社会で困らないような一般常識を体得させる意味である場合が多いように思う。

 

だが、それは大学の仕事の一部分でしかない、と私は考えている。

大学という機関が社会の中でどのような役割を持っているのか。

大学は確かに学生を育てているが、それだけではない。

 

「知」を生み出す場所として、研究者を抱えている。いかに研究しやすい環境を整えて、世の中に役立つ研究をしていくか。これも大事な仕事である。

 

「地域」の拠点として、様々な地域をつないだり、企業と教員をつないだり、企業同士をつないだり。社会の基盤を下支えする。これも大事な仕事だ。

 

卒業生や保護者に、大学に愛着を持ってもらい、応援してもらう。そのためにいろいろな情報開示をしたり、イベントを開いたりする。これも大事な仕事。

 

高校生に大学に興味を持ってもらい、大学に来てもらう。そのために広告を出したり、イベントを開いたり、キャンペーンを考えて実施したり。これもまた大事な仕事である。

 

大学は多様な役割を持っていて、多様な仕事がある。

学生対応以外にも興味を持てるか?

そもそも大学という場所が好きか?

人を育てる仕事なら他でもできるのではないか?

大学職員になりたい人、大学職員になったけどなんとなくモヤモヤしている人はここを今一度振り返ってみると良いのかもしれない。

 

自分の今後のキャリアを考えたり、仕事について振り返る時、どうしても視野が狭くなりがちである。視野を広げる努力を続けていきたいと思う。