元大学職員のスピーチ

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日常の見方

「毎日がつまらない」

そう思うことはないだろうか。

 

朝起きて、身支度をして、(詰めれば少しは余裕を持って乗れるのに後ろに詰めようとしないおっさんにイライラしながら)すし詰めの電車に揺られて、学校や会社に出かけて、終わらない課題や仕事に悩まされながら遅くまでパソコンと向き合って、帰ったら録画したドラマを観ようと思っていたけど、疲れすぎて寝てしまったりする。そんな毎日。

 

「何か刺激が欲しい」「単調な毎日を変えたい」

そうは思うけれど、新しいことを始めるお金もないし、気力もない。そもそも何をしたらいいのかも分からない。

 

途方にくれるような悩みだけれども、「つまらない毎日」を変えるのは実は簡単なことなのではないだろうか。

 

新しいことなど始めなくても、ほんの少し「日常の見方」を変えるだけでいい。「日常の出来事の切り取り方」を変えるだけでいい。それだけでいいのかもしれない。

 

そんなことを、昨日、東京藝術大学の卒業制作展に行って思った。なぜなら、どの作品もテーマは日常の中にあって、表現の仕方は違えど、日常を切り取って形作られていたからだ。

 

例えば、女子高生3人組が帰宅の途についている後ろ姿をモノトーンの油絵で表現した作品があった。仲のいい女子高生グループが学校終わりに寄り道をしながら帰宅する姿など、日本国内ならどの地域でも見られるし、何も特別な風景ではない。

 

しかし、キャンバスの中に描いて白黒の油絵として完成すると、何か特別な場面のように思えてくる。

 

学生が普段過ごしている「教室」だって、3・4種類の緑色で立体的な四角形を使って描けば、何だか宇宙空間のような異質な空間に見えてくる。

 

そう、「つまならい」と思っていた日常はほんの少し見方を変えるだけで、実は異質で、特別で、時にキラキラしたり、悲しげな風景になったりするのだ。

 

人生は一度きり。どうせ生きるなら”面白く”生きていきたい。

 

つまらない毎日だと感じる時、例えばスマフォから視線を上げ、イヤフォンを外して、周囲に目を凝らしてみる。周囲の音を聞いてみる。すると、これまで気づかなかった「日常の風景」に出会えるかもしれない。つまらなかった日常が少し面白く見えてくるかもしれない。

 

日常を面白く切り取って、それを周りに伝えながら、楽しめる。そんな人になれたら素敵だと思う。

 

※「note」始めました。「note」に書いた記事の転載です。

 

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