マニュアル化することで業務の棚卸をする
マニュアルが整っている大学はどれくらいあるのだろう。
大学という職場は意外と口伝も多くて、まだまだ通常業務について統一したマニュアルが整っていないところも多いのではないだろうか。新人で配属されても、異動して新たな部署になっても、その部署に来たばかりの頃は仕事が全くわからず居心地が悪かった、なんてことはざらにある気がする。
いや、たしかに、マニュアル化ってめんどくさい。自分の業務について何も知らない人でも分かるように書こうとすると、かなりの労力を要する。忙しい時にはなかなかやる気にならないが、マニュアル化することにはメリットもかなりあると個人的に思っている。
マニュアル化することのメリット
①自分の業務の棚卸しができる
このメリットはかなり大きいと思う。何も知らない人がマニュアルを読めばある程度の水準までは仕事ができるようにマニュアルを作るとすると、その仕事の意義、背景、目的から仕事の手順、多少のイレギュラーに関する過去の事例まで書くことになると思う。この内容を書くにあたって、自分の業務を必ず振り返ることになる。あれはどうやったっけ、これはどうやってたっけ。思い返す中で、不要な手順が見つかったり、仕事の全体像を俯瞰して見ることができるようになるのだ。
仕事の全体像が見えてくると、全体の作業量が見えてくる。作業量が見えると自ずとその仕事にかかる時間もなんとなく計算できるようになる。
業務を効率化するという意味で、マニュアル化は役に立つのである。
②自分だけの仕事でなく、誰でもできる仕事にすることで新たなチャレンジができる
大学職員に多いのが、仕事が人についているという事態。これ、本当はかなり非効率的である。
一見その仕事のプロであるように見えるが、我々の仕事は弁護士や医者、教授などとは違う。本来誰でもできる仕事である。たしかに人には得手不得手があるので、その仕事に適任か不適かという判断はできる。しかし、その人がいないと仕事が回らないという事態はおかしい。
もし自分に仕事がついてしまっているなら、そのことを誇らずに今すぐマニュアルを作るべきだ。
マニュアル化して自分以外の人もその仕事を担えるようになれば、たとえばマニュアルを共有しておいて、自分が休みをもらった日でも問い合わせに自分以外の誰かが対応できるようになる。問い合わせ対応にとられていた時間を、次の仕事に回すことができるし、気兼ねなく休みをもらうことができれば外部で開催される研修で自己研鑽を積むこともできる。
空いた時間で新たな挑戦ができるようになるのだ。
私自身、マニュアル化したことによって他の人が私の仕事を担えるようになり、より上位の仕事に取り組むことができている。
まだまだマニュアル化率100%には程遠いが、日々少しずつマニュアル整備を進めていきたい。
追記
マニュアルというちゃんとしたものを作れない、という人はまずはメモを残すことから始めてみてはどうだろうか。
ある業務の今年度の反省点で、次年度は改善したいことを箇条書きでパソコンのメモ帳にメモして、共有フォルダに保存しておく。少しわかりづらい仕事の手順を思いついた時にパッとメモしておく。これだけでも、次年度急に自分の仕事を引き継がねばならなくなった際にかなり安心である。