元大学職員のスピーチ

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大学職員には『働くママ』のロールモデルがいる。

先日、義母にこんなことを言われた。

「自分は専業主婦の家庭で育っているのに、また仕事に復帰しようと(保活を)頑張っていて偉いわねえ。私なら6ヶ月も休んだら仕事を辞めちゃうと思うわ。」

 

実は私も大学時代、専業主婦になりたかった。仕事とはどういうものか、自分が仕事をしたらどんな風に働けるのかが分かっていなかったからだと思う。 いずれ就職しても、出産を機にやめたい気持ちが心のどこかにあった。

 

だから、私の就職活動は迷走した。やってみたいこととライフプランの相違が激しくて、それを見抜かれていたからどこからもなかなか内定がもらえなかった。いろんな業界をさまよって、結果として大学職員に落ち着いて、今がある。専業主婦になりたかったからこそ、今思えばベンチャー企業などでインターンをやった方が良かったのだと思う。仕事とは、働くとは、ということを体感した方が私にとっては就活時に最良の選択ができたに違いない。

 

そんな私だが、約4年ほど大学職員として働いてみて、今は全く違う考えを持っている。仕事を辞めるよりも、「仕事を続けたい」と思う。

 

考え方が変わった背景には、大学という職場に「働くママ」が多いということがある。先輩や上司が子供を育てながら、仕事もバリバリこなしている。そんな姿を見て、子育てと仕事の両立が自分自身もイメージしやすくなった。子供の体調不良で急遽休まねばならない日があること、お迎えの時間があるからこそ効率よく仕事を片付ける必要があること(それが上手くなってくること)、日々大変だけど保育園の行事で子供が成長した姿を見るのは楽しそうなこと…などなど。

 

子育て中だからといって、大学という職場では軽い業務を振られるわけではない。働くママでも教務や入試、キャリア、法人企画など、忙しい部署で責任ある仕事を任されて働いている人はたくさんいる。面白く仕事をしながら、子育てをしてもいいのだ。

 

これからの日本社会のことを考えても、働いていた方がいいなと思う。年金はゆとり世代はもうもらえないと思うし、世界情勢も何だか怪しげだし、パートナーのそんなに高くない収入だけでは一昔前よりも上がっている娘の学費を払いきれないし。パートナーだけでなく私も働いてダブルインカムでいることが、あらゆるリスクヘッジになる。

 

娘と私の関係にとっても、私が働き続けることは悪影響ではないように思う。色々考えすぎてしまう性格だからこそ、専業主婦として家にいたら、娘に過干渉になってしまう気がする。重すぎる愛情は子供に良い影響を与えない。

 

無事に保育園に入ることができ、仕事に復帰できたら。私が先輩や上司から影響を受けたように、私自身の働き方も後輩や誰かのロールモデルになれたらいいなと思う。「子供がいてもこうやって働けばいいのか、こうやって働けるのか。」誰かの背中を少しでも押すことができたら嬉しい。