元大学職員のスピーチ

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研究や情報発信をすることについて思うこと

大学職員として研究や情報発信をしていると、それに対する批判の声を聞くことも多い。そんなことをやっている暇があったら、自己顕示欲を満たしていないで、学生や教員のことを考えろ、と。

 

個人的には研究しようと、情報発信しようと、何もやらなかろうと、本務がきちんとこなせているなら各個人が好きにすればいい話で、他者からとやかく言われる話ではないと思っているのだが、とにかく何かやっている人を叩く場面をよく見かける。

 

なぜ大学職員が研究や情報発信をしていると叩かれやすいのか考えてみた時、本務がないがしろになっている人が悪目立ちするという理由の他に、大学の仕事ならではの特徴が原因として考えられるのではないかとふと思ったので、メモ的にブログを更新する。

 

他の業界でも働きながら研究したり、情報発信している人はいくらでもいる。例えばマーケッターやキャリアカウンセラーなど。彼らも彼らなりに叩かれる場面はたくさんあるんだろうけど、大学職員のように「そんなことやめろ」と言われづらいのは、①仕事の成果が見えやすく ②学んだり研究したり、発信した内容が実践の中で活かしやすいからではないだろうか。

 

つまり、大学職員の仕事が①成果が見えにくく ②学んだり研究したり、発信した内容を実践の中でどう活かすかがわかりにくいために、研究や情報発信をすることが良くないこととして受け止められやすいのだ。

 

広報ならば志願者数などである程度数値的な成果は見えるものの、学生相手、教員相手の仕事では具体的な目に見える成果は出しにくい。成果を出すために理論をどう使うのかということもわかりづらい。

 

だからと言って、大学職員がただ事務仕事をこなすだけでいいかというと、そういう訳でもない。(いや、ただ事務仕事がしたい人はそうすればいいと思うけど、私は「ただ事務仕事をこなすだけの仕事」はこれからの大学生き残りをかけた時代に時代遅れになると思っている。)学生相手の教育的側面が伴う仕事では、それに見合う理論に裏付けされた仕事ができれば勤務先の大学がより良くなるし、情報発信する中でまとまった考え・アイディアをもとに日々の仕事を少しずつ改善していけば、それもそれで勤務先の大学をより良くしていくことにつながると思う。

 

あくまで「本務をしっかりこなした上で」が前提だが、好きでやりたいのなら、大学院に進学して研究したらいいし、SNSやブログで情報発信をすればいいと思う。色々な自己研鑽があっていいし、多様なキャリアパスがあっていいと思うのだ。

 

このテーマに関しては以上です。