元大学職員のスピーチ

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私が大学職員を志した理由と現在の心境②

こんにちは、星野マリエです。
前回に引き続き、「私が大学職員を志した理由と現在の心境」について書いていきたいと思います。だいぶ間が空いてしまって申し訳ありません…

 

まずは、前回のおさらいから。
私が大学職員を志したのは、第一志望の広告業界の選考に全て落ちてしまったことがきっかけでした。次にどの会社を受けようか考える中でもう一度進路を考え直し、「大学職員」という選択肢を選びました。

 

 

では、なぜ方向転換で大学職員を選んだのか。その理由は、大きく分けて2つあります。

①働き方が自分の理想像にフィットしていた

②仕事に求める価値が自分の理想にフィットしていた

 

上記二点が理由です。
詳しく見ていきます。

 

 

①働き方が自分の理想にフィットしていた

これは方向転換を考えた際、「自分は一体どんな将来を望んでいるのか」をもう一度フラットな状態で思い描いた結果、出てきた答えです。

 

人生の中で一体何を大切にしていきたいのか。これは各個人が育ってきた家庭背景やそれぞれ持つ考え方の影響があるため、人によって答えは多様だと思います。

 

私の場合は、当時付き合っていたパートナーと結婚して家庭を持つこと、子供が生まれても働けることが大事な条件でした。

もっと具体的にいうと、家庭を大事にするために、勤務先の条件として
・全国転勤がない
・ある程度の時間で帰れる
・育休産休、時短などの制度が整っている
・休みがきちんと取れて、身分保障もしっかりしている
ということが譲れない条件として私の中にあったのです。

 

しかし、上記の条件を満たす職場なら、例えば銀行や商社などの一般職でもよかったはず。

そういった一般職ではなく、なぜ大学職員だったのかというと、私の性格や行動の傾向上、コツコツ型の事務の仕事よりも広く色々な仕事を経験できる総合職として働きたいという思いが強かったからです。

 

大学職員は基本的に総合職として採用されます。広く様々な仕事を経験しながらも、多くの大学で「全国転勤なし」という条件をクリアでき、私の理想とする働き方にフィットしていました。

 

 

②仕事に求める価値が自分の理想にフィットしていた

また、働き方だけでなく、「仕事について自分はどう考えているか」ということも改めて考え直しました。

 

働き方だけでなく、仕事を通じて何がしたいのか、仕事を人生の中でどう位置付けるのか。これもまた、人によって様々な考え方があるものです。

私自身は、どうせ働くなら自分の携わった仕事が目先の利益ではなく、何年も先の未来の社会に生きてくるような仕事がしたいという思いがあることに、自分と向き合う中で気づきました。

 

大学職員という仕事は、その大学を作った人の創設の想いを引き継ぎ、未来に向けて大学を残していく仕事であり、誰かの人生に大なり小なり確実に影響することができる稀有な仕事です。

 

改めて自分がどんな道に進もうか考える中で、自分が理想とする仕事像フィットするのは、大学職員だという結論に至ったのでした。


以上が私が大学職員を志した理由です。大学職員の採用試験でも、特に②の内容については面接の中で必ず話していました。

 

大学職員を志す方は、大学職員の待遇(最近では必ずしも良くはない?)は一旦横に置き、仕事に求める価値をぜひ一度考えてみていただきたいです。

なぜなら、大学職員は今後、決して割りの良い仕事ではなくなるからです。

大学は少子高齢化の波を真っ先に受けます。いわゆる斜陽産業にあたります。それぞれの大学が生き残りをかけて、必死になって仕事をしているような中で、沢山のステークスホルダーの間にもみくちゃにされながら仕事をしなければなりません。

 

そんな状況で心が折れそうになった時、立ち戻れる価値観があると、挫折せずに(愚痴は吐けども)その場に立っていられると思います。

 

 

と、カッコつけたことを言ってみましたが、私の現在の心境は、少し複雑です。

 

まず、仕事内容や現在の仕事に就いたことについて後悔はありません。やはり思っていた通りの職場で、自分の価値観にもマッチした仕事でした。働き方も思っていたものと相違はなく、ありがたいことに私の勤める大学では、自分の思ったことを自由にやらせてもらえる環境にも恵まれています。

 

ただ、今後のキャリア形成については迷いがあるのも事実です。

 

その大きな理由は、今の職場で働き続けられるかどうかが分からないということにあります。それはいくつか要因が重なっており、パートナーの海外転勤、自大学の学生募集状況、自分自身の仕事の価値観の変化が主な要因です。

 

今後の人生を共にするパートナーは、確定ではありませんが、海外転勤がありえます。海外転勤になった場合は私も転勤先についていき、彼の生活をサポートしたいという思いがあります。その場合、2年は確実に海外で暮らすこととなるため、現行の就業規則では休職はできず、辞めるしかないなと思っています。

 

また、自大学の学生募集状況を見ていると、ここ数年が勝負であるように感じます。生き残るか、他大学に負けてしまうか。後者だった場合、勤務先が何年か先になくなってしまうことも想定して働かねばなりません。

 

そして、この数年働いてみて、仕事としてチャレンジしてみたいことが2つほど出てきました。まだ迷うところではありますが、チャレンジすると決めた場合、現在の仕事を辞めることも考慮しなければならないかもしれません。

 

大学職員の仕事を通して身につく知識やスキルは、大学業界でのみ通用するような知識、スキルであることが多いです。上記のように辞めざるをえない状況になった場合、大学職員の経験値だけで、その後のキャリア形成に結びつけていけるのかについては不安に感じることもあります。

 

現在、私は今後の自分のキャリアを見据えていくつか資格を取ったり、勉強会に参加したりして力を蓄えようと考えているのですが、その話は長くなりそうなのでいずれ別な記事としてまとめたいと思います。

 

もし仕事に関する質問などありましたら、ぜひコメントくださいませ。

それでは、また:)

 

星野マリエ