元大学職員のスピーチ

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【読書記録】藤石波矢「初恋は坂道の先へ」

こんにちは、星野マリエです。都内某大学で大学職員をやっています。

 

お正月休みで十分休息を取ることができ、すこぶる体調とメンタルの状態が良いです。

今年は休息をしっかりとりながら仕事で成果を出すという、業務効率を意識した仕事の仕方をしていきたいと思いました。

 

さて、このブログでは読書記録もつけていきます。

職場の先輩が一年で150冊を読破したそうで、私もチャレンジしてみようかなと思っている今日この頃。週に3冊ぐらい読む勢いでしょうか…

 

読書記録は星野マリエの半ば趣味みたいなものなので、タイトルを見て記事を読むか否か選別していただければ幸いです。なるべく本の面白さを出せるように紹介していきたいけれど。

 

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今回記事にするのは1月に入って早々に読了したうちの1冊、

藤石波矢さんの「初恋は坂道の先へ」

この本は藤石波矢さんのデビュー作で、”第1回ダ・ヴィンチ「本の物語」大賞”で大賞を受賞した作品です。

 

藤石さんは大正大学文学部、東京ビジュアルアーツ映画学校を卒業。脚本の新人賞へ応募を重ね、久々に書いた小説である本作で大賞を受賞されているという経歴の持ち主。脚本を書かれていただけあって、藤石さんの書く小説はどの作品もキャラクターがそれぞれ立っていて、物語の展開が最後まで読めないところがとても面白いです。

 

 

 

「初恋は坂道の先へ」という作品では、「しなこ」という女性・女の子が物語の鍵となります。

 

主人公は少し浮気っぽくて優柔不断な小学校教師の研介。物語は研介の彼女である「しなこ」が木崎という人物から小包を受け取った後、行方が分からなくなってしまったところから始まります。

 

「しなこ」の行方を探す研介。失踪理由として思い当たるのは「しなこ」がときどき話していた「忘れられない初恋相手」。研介は「しなこ」を探す中で、自分が「しなこ」をどう想っていたのかを見つめていくことになります。

 

しかし、”悪い出来事は重なる”もの。研介は『「しなこ」の失踪』だけでなく、「父親の病気」や「同僚からの告白」など複数の”一大事”に直面することになります。

 

物語は研介視点だけでなく、中学生の「しなこ」の視点からも描かれており、研介の過去の記憶や中学生の「しなこ」の日常を交えながら、一見ばらばらに見えるそれぞれのストーリーが最終章で1つのゴールに結びついていきます。

 

 

 

藤石さんのデビュー作も、まさかの展開で予想をいい意味で裏切られました。最後まで面白かったです。

ミステリーや恋愛要素も含まれている上に、文章も軽快でとても読みやすいので、およそ2日で読み終えることができました。また、私は現実の日常生活・人生に示唆を与える小説が良い小説だと考えているのですが、本作も思春期独特の「他者から見られたい自分像と本当の自分の落差に対する苦悩」や「人を好きになったり愛すること」に対して示唆を与えてくれる小説でした。

 

 

今年も新旧問わず、いろいろな小説を読んでいきたいと思います。

 

CU:)

 

 

星野マリエ