元大学職員のスピーチ

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【読書記録】「女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと」西原理恵子

いつか子供がほしいと思っている。

自分の子供ができた時、どんな親になりたいか。どんな親になれるだろうか。

 

大学に勤め、教育業界の様々な情報に触れる中で思うことがある。

子供にはたくさんの大人と関わる機会を持ってほしい。

多少失敗してもやりたいことは色々と手をつけてみてほしい。

親として、多くは語らずとも、子供がやりたいことをサポートできるようになりたい。

 

今回読んだ西原理恵子さんの本「女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと」は、そんな目指す親の1つの姿を学ぶことができる本だった。

 

 

女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと

女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと

 

 

 

学ぶと言ってもエッセーなので気軽に読める。

 

父親の暴力と早逝によって苦労を重ねてきた西原さんは現在漫画家として活躍している。本書は西原さんなりの子育てへの考え方(特に娘への想い)がまとめられた本だ。

 

西原さんの子育てについてザックリまとめると、

①子供が好きなことを見つけたら、それを好きなようにやらせること。

②ただし、必ず「食える術」を何かしら考えて身につけること。

③そのための費用はかあさん(西原さん)が全部出してやる。

というもの。

 

子供の習い事や教育に関して親が干渉することが多い現代で、なかなかに割り切った子育て方法であるように思う。

 

西原さんの独特な子育て観には自身の育った家庭背景があり、そのエピソードが読んでいて非常に心が痛くなる。また、子育て観だけでなく、子供への想いや亡くなった元旦那(離婚している)との一筋縄ではいかなかった夫婦生活についても綴られており、これがかなり心に沁みる内容だ。思わずホロリと泣いてしまいそうになるので、カフェなどで読む際は要注意。

 

 

最近、読書が捗る。

仕事の仕方を少し変えてみたおかげかもしれない。

その辺の話については、またいずれ。

 

 

星野マリエ

 

 

 

女性のキャリアについて思うこと②

女性のキャリアって難しいと思う。

まだまだ日本社会においては、一筋縄ではいかない。

 

仕事を取るの?

家庭を取るの?

 

本当はそんな単純な二項対立な議論ではないはずなのに、それを求められる機会が多くの女性に未だに起こりやすい。

 

私自身に置き換えてみる。

まだ現実に起こっていないけれど、私自身、近い将来キャリアを中断するリスクを抱えている。パートナーの海外転勤というリスクだ。

 

単身赴任させればいいじゃん。

そんな声も聞こえてきそうだが、家族のあり方は個々人の価値観に基づく。

不安定な世界情勢の中で、パートナーを1人だけ海の外に出したくない。

いつ死ぬかわからない、いつ会えなくなるかわからないから。

私は仕事もしたいけれど、家族と楽しく暮らす毎日を何より大切にしたい(喧嘩もたくさんするが)。その価値観は第三者が横槍を入れていいものではないはずだ。

 

話を戻す。

家族を大切にするという選択をすると、キャリアを中断するというリスクを背負う。

私は大学職員である。キャリアを中断するとどういうことが懸念されるのか。

 

以前、大学職員を志した理由をブログに書いた(Twitterでなんだか思わぬ方向に物議を醸した)。

photon28.hatenadiary.jp

その際、末尾にこんなことを書いていた。

ただ、今後のキャリア形成については迷いがあるのも事実です。

(中略)

大学職員の仕事を通して身につく知識やスキルは、大学業界でのみ通用するような知識、スキルであることが多いです。上記のように辞めざるをえない状況になった場合、大学職員の経験値だけで、その後のキャリア形成に結びつけていけるのかについては不安に感じることもあります。

 

Twitterで物議を醸した時は、下線部しか注目されなくて悲しかった)

名もなき大学職員である私が今、キャリアを中断すると、経験を社会で自分の望む形で買ってもらえるのかが不明瞭で、働き続けたいのにもかかわらずその後のキャリア形成が繋がらない可能性を孕む。

 

では、リスクを回避するためにどうすべきなのか。

私が出した結論は、

①これからの社会に必要となる知識を身につける。

②自分のやってきた仕事とこれからやっていきたい仕事に関わる資格を取る。

この2点に収束する。

 

今、自分が非常に関心を持っている「働き方」に関してもっと突っ込んで携わってみたいし、考えてみたいのでCDAという資格を取ろうと思っている。また、自分が携わってきた広報という仕事に関して、企業人と同程度の知識やスキルを持っていることを証明するため、PRプランナー検定も受ける。さらに、今後絶対に持っていて損はない知識として、Webマーケティング関連の知識も何がしかの手段を使って得ようと思っている。(できれば本当は文章力も何がしかの機会に磨きたい)

 

もちろん、資格は全てを解決するものではない。

資格があったって自分の身に起こるリスクは回避できないかもしれないし、キャリアに結びつかないかもしれない。

 

でも、勉強したことは無駄にはならないはず。

インプットの多さは自分の中の判断力やセンスにつながってくるし、どこかで役立つこともあるだろう。

 

 

長くなってしまったが、大手企業勤務や起業経験などの何か華々しい経歴があるわけではない女性は、今後「キャリア」という面で生き延びていく方法として「資格取得」を考えてみてもいいのかもしれないと思う。まだ結果は出ていないけれど、私自身が身をもって実験するつもりである。

 

無謀なチャレンジはできないから、身の丈にあったチャレンジを。

勉強頑張らねば。

 

 

星野マリエ

 

 

 

 

 

女性のキャリアについて思うこと①

働きたい。社会と何かしら接点を持っていたいから。

 

でも、子供と一緒にいる時間も大事にしたい。

可愛い時期はいつだって今日が最後。時間は戻せないから。

 

家事だってきちんとこなしたい。

料理も掃除も洗濯も、暮らしがきちんとしていることが楽しいし、心の安定の源だから。

 

あれもこれも求めたら生きづらい世の中です。特に女性は。

何かを諦めたり、捨てたりすれば良いのだろうけれど。一度きりの人生。

やれることは最大限やりたい。やっていいと思うのです。

 

 

6月28日(水)に放送されたNHK朝イチ「40代主婦 稼ぎたいけれど…」を見ました。

 

www1.nhk.or.jp

 

女性のキャリア中断の問題はなかなか改善しないな。

問題の原因は企業側の意識にもあるし、女性の側にもあるように思います。

企業は多くの主婦の能力を低く見積もりすぎだし、女性は企業の求めている能力を知ろうとしなさすぎ、かつ情報収集下手すぎる。

 

一例として上がっていた元SEの主婦の方。SEの経歴を生かして9時〜14時までの仕事を探しているけれど見つからないんだそう。

 

おかしいな。企業の一般的な有効求人倍率が2.46のところ、IT・通信系企業の有効求人倍率は5.90あるはずなのに。年齢を考慮しても仕事が見つからないはずがないのに。

 

SEであればテレワークで一部仕事を行える会社もあるはず。ベンチャー企業でそのような求人を出しているところ、見かけたことがある。(趣味で転職サイトをよく眺めている)この元SEの主婦の方は、情報収集の仕方に問題があるのではないかと思ってしまったのでした。

 

企業と女性の労働力が上手く繋がらない。両者ともにアンハッピー。

この状況、どうにかならないかなあと思っている今日この頃。

 

ーーー続く。

 

 

 

 

 

 

 

【読書記録】「多動力」堀江貴文

多動力 (NewsPicks Book)

多動力 (NewsPicks Book)


読みました。
今話題の本。


ざっくりまとめると、

AIなどが発展するこれからの時代、1つの経歴や能力、キャリアで何十年も食べていくのは難しくなるから、興味のあることはなんでもやってみて、自分の経歴の幅を広げよう、

という話。


もう少し詳しく説明すると、興味のあることにどんどん取り組んでいけば、100万分の1の人材になれると堀江氏は言っている。

単なる社長なら何千人と日本にいるけれど、
社長×イベント企画者×コンサルタント×…とスキルなり経歴を掛け算していくと、(理論上は)何百万分の1の人材になれるというのだ。

今、私は働き方やキャリア形成にとても興味を持っている。今後、どんな風に働きたいか、生きていきたいか。何をして食べていくのか。堀江氏の考え方は非常に勉強になった。(勉強になるだけじゃなくて、実践もしていかねばと思う。)

本の中では、堀江貴文氏が実践している仕事の仕方なども紹介されている。一部、私個人として納得できないところもあるにはあるが、全体的にスピード感を持った仕事の仕方ややりたいことの実現方法、今後のキャリア形成についての考え方を学ぶには良い本だと思う。

2020年以降の私立大学進学について思うこと

2020年に開催される東京オリンピック

今、日本経済はオリンピックに向けた観光客誘致や街の整備、会場整備により上向いているようです。

2020年まではこの景気、おそらく続くでしょう。景気がいいということは、就職市場も新卒売り手市場になりやすい。新卒売り手市場になると、就職に対する不安から資格至上主義で受験生が動くことはなく、自然と文系学部(特に経済系)の人気が高まってきます。また、学費を懸念した国立大人気も収まり、私立大学への進学も増えているようです。


何が言いたいか。
2020年までは大都市圏、特に首都圏の多くの私立大学は志願者募集に大きく困ることはないのではないかと思うのです。(多少困ることはあるかもしれません)

問題はその先。
2020年以降の日本社会がどうなるか。

オリンピックが終わった後、好景気が落ち着く都市も多い中で、東京はどうなるか。日本はどうなるか。

好景気が落ち着くのであれば、私立大学の志願者募集はまたリーマンショックの頃のように厳しくなる時期が来るかもしれません。

2年先を見越して、先手を打っておきたい。ともすると詐欺になってしまう大学広報で、誠実に、でも知名度を上げるべく知恵を絞って、大学の特色をPRしていくにはどうしたらいいか。

答えは出ません。正解は各大学でそれぞれのはず。今日できることから少しずつ取り組んでいけたらと、日々の仕事に意味を見出したい今日この頃。

【読書記録】「センスは知識からはじまる」水野学

こんばんは、星野マリエです。

どうにもブログを書く習慣が身につかない。一ヶ月半も空いてしまいました。

ブログの書き方を変える必要があるか。

読書記録も文章力強化の訓練としてやってみたいと思います。気になる本があれば是非ご一読下さい。

 

1ヶ月ほど前に読了したのが、この本。

「センスは知識からはじまる。」水野学著

 

センスは知識からはじまる

センスは知識からはじまる

 

広告業界の人の考え方を知りたくて、購入。本当にザックリ要約すると、センスは天性のものではなくて、膨大なインプットから生まれるということが書かれた本でした。

 

広報やっていると、いろんな人から自分はセンスないから広告デザインとか決められないだとか、センスがないからSNSできない、というような話を聞くことがあります。

 

でもそれ、実は言い訳になってしまうかも。

著者の水野学さんはデザイナーですが、会社や商品を世の中に広めていくプロデュースもやられている方。ある商品に最適なデザインやPRをする上で、日頃から行なっている雑誌のリサーチや人間観察、読書などから得た知識や知見を結びつけて、新たなデザインやPR方法を生み出しているのだそう。

 

センスがいい人は、実はそのことに関して人の何倍も情報を得ているだけなのかもしれません。

 

センスがない、を言い訳にせず、日頃から様々なインプットをしていかねば、と広報として改めて思った次第。と同時に、趣味でもなんでも、どんなインプットも無駄にならない。どこで生きてくるかわからないな、と思いました。

 

私が大学職員を志した理由と現在の心境②

こんにちは、星野マリエです。
前回に引き続き、「私が大学職員を志した理由と現在の心境」について書いていきたいと思います。だいぶ間が空いてしまって申し訳ありません…

 

まずは、前回のおさらいから。
私が大学職員を志したのは、第一志望の広告業界の選考に全て落ちてしまったことがきっかけでした。次にどの会社を受けようか考える中でもう一度進路を考え直し、「大学職員」という選択肢を選びました。

 

 

では、なぜ方向転換で大学職員を選んだのか。その理由は、大きく分けて2つあります。

①働き方が自分の理想像にフィットしていた

②仕事に求める価値が自分の理想にフィットしていた

 

上記二点が理由です。
詳しく見ていきます。

 

 

①働き方が自分の理想にフィットしていた

これは方向転換を考えた際、「自分は一体どんな将来を望んでいるのか」をもう一度フラットな状態で思い描いた結果、出てきた答えです。

 

人生の中で一体何を大切にしていきたいのか。これは各個人が育ってきた家庭背景やそれぞれ持つ考え方の影響があるため、人によって答えは多様だと思います。

 

私の場合は、当時付き合っていたパートナーと結婚して家庭を持つこと、子供が生まれても働けることが大事な条件でした。

もっと具体的にいうと、家庭を大事にするために、勤務先の条件として
・全国転勤がない
・ある程度の時間で帰れる
・育休産休、時短などの制度が整っている
・休みがきちんと取れて、身分保障もしっかりしている
ということが譲れない条件として私の中にあったのです。

 

しかし、上記の条件を満たす職場なら、例えば銀行や商社などの一般職でもよかったはず。

そういった一般職ではなく、なぜ大学職員だったのかというと、私の性格や行動の傾向上、コツコツ型の事務の仕事よりも広く色々な仕事を経験できる総合職として働きたいという思いが強かったからです。

 

大学職員は基本的に総合職として採用されます。広く様々な仕事を経験しながらも、多くの大学で「全国転勤なし」という条件をクリアでき、私の理想とする働き方にフィットしていました。

 

 

②仕事に求める価値が自分の理想にフィットしていた

また、働き方だけでなく、「仕事について自分はどう考えているか」ということも改めて考え直しました。

 

働き方だけでなく、仕事を通じて何がしたいのか、仕事を人生の中でどう位置付けるのか。これもまた、人によって様々な考え方があるものです。

私自身は、どうせ働くなら自分の携わった仕事が目先の利益ではなく、何年も先の未来の社会に生きてくるような仕事がしたいという思いがあることに、自分と向き合う中で気づきました。

 

大学職員という仕事は、その大学を作った人の創設の想いを引き継ぎ、未来に向けて大学を残していく仕事であり、誰かの人生に大なり小なり確実に影響することができる稀有な仕事です。

 

改めて自分がどんな道に進もうか考える中で、自分が理想とする仕事像フィットするのは、大学職員だという結論に至ったのでした。


以上が私が大学職員を志した理由です。大学職員の採用試験でも、特に②の内容については面接の中で必ず話していました。

 

大学職員を志す方は、大学職員の待遇(最近では必ずしも良くはない?)は一旦横に置き、仕事に求める価値をぜひ一度考えてみていただきたいです。

なぜなら、大学職員は今後、決して割りの良い仕事ではなくなるからです。

大学は少子高齢化の波を真っ先に受けます。いわゆる斜陽産業にあたります。それぞれの大学が生き残りをかけて、必死になって仕事をしているような中で、沢山のステークスホルダーの間にもみくちゃにされながら仕事をしなければなりません。

 

そんな状況で心が折れそうになった時、立ち戻れる価値観があると、挫折せずに(愚痴は吐けども)その場に立っていられると思います。

 

 

と、カッコつけたことを言ってみましたが、私の現在の心境は、少し複雑です。

 

まず、仕事内容や現在の仕事に就いたことについて後悔はありません。やはり思っていた通りの職場で、自分の価値観にもマッチした仕事でした。働き方も思っていたものと相違はなく、ありがたいことに私の勤める大学では、自分の思ったことを自由にやらせてもらえる環境にも恵まれています。

 

ただ、今後のキャリア形成については迷いがあるのも事実です。

 

その大きな理由は、今の職場で働き続けられるかどうかが分からないということにあります。それはいくつか要因が重なっており、パートナーの海外転勤、自大学の学生募集状況、自分自身の仕事の価値観の変化が主な要因です。

 

今後の人生を共にするパートナーは、確定ではありませんが、海外転勤がありえます。海外転勤になった場合は私も転勤先についていき、彼の生活をサポートしたいという思いがあります。その場合、2年は確実に海外で暮らすこととなるため、現行の就業規則では休職はできず、辞めるしかないなと思っています。

 

また、自大学の学生募集状況を見ていると、ここ数年が勝負であるように感じます。生き残るか、他大学に負けてしまうか。後者だった場合、勤務先が何年か先になくなってしまうことも想定して働かねばなりません。

 

そして、この数年働いてみて、仕事としてチャレンジしてみたいことが2つほど出てきました。まだ迷うところではありますが、チャレンジすると決めた場合、現在の仕事を辞めることも考慮しなければならないかもしれません。

 

大学職員の仕事を通して身につく知識やスキルは、大学業界でのみ通用するような知識、スキルであることが多いです。上記のように辞めざるをえない状況になった場合、大学職員の経験値だけで、その後のキャリア形成に結びつけていけるのかについては不安に感じることもあります。

 

現在、私は今後の自分のキャリアを見据えていくつか資格を取ったり、勉強会に参加したりして力を蓄えようと考えているのですが、その話は長くなりそうなのでいずれ別な記事としてまとめたいと思います。

 

もし仕事に関する質問などありましたら、ぜひコメントくださいませ。

それでは、また:)

 

星野マリエ